乾 正雄
1978年 理工図書
建築照明学が心理物理的な方向へ著しくのびて、かつてと違う充実した側面を示しはじめたのはごく最近のことである。
それは、今日心理物理的と呼ぶには不適当なほど発達し、むしろ環境心理的と言った方がよいほどである。
単なる実験室的照明心理ではなくて、直接、環境と人間との因果関係を取り扱うようにすらなっているからである。
建築照明はもはや建築のなかの一照明分野ではなくて、建築視環境全体をおおう分野に成長した。
建築家にとって従来にもまして必修と言わねばならないであろう。
(はしがきより)