気仙沼照明社会実験


2016年から2017年にかけて、宮城県気仙沼市の内湾地区を対象として、夜間の避難誘導効果を高めると共に気仙沼らしさが感じられるような照明を配置する社会実験を行いました。

本プロジェクトは、甚大な津波被害を受けた気仙沼において、沿岸部の独特の風景を夜間にも感じ取るようにすることと、夜間に災害が発生した際に速やかに避難できるような光環境を整えることを同時に提案するものです。湾に張り出した五十鈴神社などの沿岸地域を対象に2016年と2017年それぞれ約1か月間に渡って、仮設的な照明設備を取り付けました。

実験の結果、気仙沼らしい景観の形成と高台への避難路の認識は両立できることが示されました。再整備によって元の風景が失われようとしている街において、実践成果を反映した光環境を構築できるように働きかけを行っています。



気仙沼の地形を活かした避難照明の考え方




五十鈴神社への光の設置によって避難路(階段)と、沿岸部からの海の認識を向上させました。



避難経路となる五十鈴神社の階段。階段上にある樹木を高台の目印としてライトアップしています。



住宅街の街並みを表出させ、同じ光源タイプで避難経路となる階段を分かりやすく照明しました。(入沢地区)



昭和初期の古い建物が残る八日町商店街。かつての気仙沼らしさが感じられるような光をファサードに設置しました。