「建築100人展2017 浅草展」動的照明による人の誘導と環境演出

 

 

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都市部の屋外公共空間を対象とし、ステージライティングなどで用いられる動的照明を活用し、

賑やかさの演出だけでなく歩行者の安心感や誘導を作り出すことを目的とした。

ムービングライトやレーザーライトは、屋外ではイルミネーションイベント等で

光の演出を鑑賞する対象として利用されている。

また、単波長で指向性が強いレーザー光は、レーザーポインターとして視線を誘導したり

情報の表示をしたりするものとして利用されている。

それに対して本プロジェクトは、

演出としての使用方法と情報表示としての使用方法を組み合わせた照明計画を行うことに特色がある。

動的な光の特性によって、自然に誘導を行えるような機能性や、

長時間鑑賞したくなるような演出性等から多角的なアプローチを行い、今までにない照明演出を目指した。

 

 

「建築100人展2017 浅草展」

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浅草駅周辺

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隅田公園リバーサイドギャラリー入口前広場

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隅田公園リバーサイドギャラリー地下入口広場

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建築100人展2017 浅草展は、

台東区隅田公園リバーサイドギャラリーにて2017122日〜1210日の9日間開催された。

開催地は浅草駅から徒歩5分の場所にあり、水上バスの船着き場に隣接している。

水上バス利用者や雷門へ向かう人を中心として、1日に1000人以上が通行する比較的人通りの多い道路に面している。

ギャラリー入口は階段を約5m降りた地下の目立たない場所にあり、夜は足元灯などが不十分なため歩きにくい。

そのため、広場に面した道を利用する歩行者の多くが階段下まで足を運ぶ光景はほとんど見られない。

 

 

「照明計画」

 

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照明演出の実施はここで開催される100人展に合わせて行われた。

点灯時間は16時〜20時である。

スポットライトの照射角度と光色が変化するムービングライトと

アニメーションを投影することができるレーザーライトの2種類を用いた。

入口への誘導、歩行者の安心感の向上、地下空間への興味、観光地としての賑やかさの表現等を目的とした。

また、2種類の照明器具から照射される強いレーザー光は、直接人の視線に入らないように注意した。

 

 

「ライトアップ」

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ライトアップ表まとめ

 

* 

 

「アンケート結果と観賞者の感想」

 

 

 

 

 

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アンケート結果 (31)

 

 

レーザーライトで4パターン、ムービングライトで5パターンを用意し、

実験期間中に計40の組み合わせで照明演出を行った。

これらの中で1つのパターン(ライトアップ表まとめ 地下広場 照明演出 A)を選定し、

31名を対象としたアンケート調査を行った。

評価項目は、「ギャラリーに興味が湧く」「前方へ自然に誘導される」「通常時に比べて明るさが増した」「この空間を鑑賞していたい」

「この空間を歩いてみたい」「通常時に比べて安心感が増した」「光が歩行の邪魔になる」「浅草の景観に適している」の8つである。

評価者29名が「ギャラリーに興味が湧く」と回答し、

27名が「この空間を鑑賞していたい」「この空間を歩いてみたい」と回答した。

結果から、動的な光によって歩行者の空間への関心が高まったことが確認できた。

また、評価者31名の内28名が「前方に自然に誘導される」と回答し、

動的な光の効果の1つに誘導性があることが確認できた。

23名が「通常時に比べて明るさが増した」と回答し、

動的な光でも明るさを十分に確保できることが確認できた。

25名が「通常時に比べて安心感が増した」と回答し、

動的な光による安心感向上の効果を確認することができた。

 

 

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鑑賞者の感想 (120)

 

 

100人展開催期間中に得た120名からの照明演出に関する自由意見を抜粋した。

表から「足元に視線が移動する」「空間全体が照らされて場所性を感じる」といった、

足元への注意や空間把握について挙げられており、

転倒に繋がる段差や障害物の早期発見の増加等に貢献すると考えられる。

「賑わいのある浅草の雰囲気が表現されている」「観光地としての浅草にふさわしい演出だと思う」等の感想から、

観光地としての賑やかさや楽しさ、実験対象地の景観の美しさを高める等の空間演出となったと言える。

 

 

課題点として、

アンケートより「光が歩行の邪魔になる」と回答した評価者が14名であった。

また、鑑賞者の自由意見では、

「光が明るすぎる」「動いている光が視線に入り込む」といった意見が挙げられた。

動的な光の明るさや照射範囲に、今後の検討課題があることが確認できた。

 

アンケートより「浅草の景観に合っていない」と回答した評価者が19名であった。

また、鑑賞者の自由意見から、

「色合いに統一感がない」「賑やかさは感じるが落ち着いた雰囲気の浅草とは合わない」といった意見が挙げられた。

一方で、

「賑わいのある浅草の雰囲気が表現されている」「観光地としての浅草にふさわしい演出だと思う」といった意見も挙げられた。

賑わいに関しての演出として、多くの光色を使用することや光の動きを速めることを行った。

表現方法として、賑わいに関しての演出だけでは、浅草らしさを感じる歩行者は多くなかった。

そのため、賑やかさとは異なる浅草らしさの演出が必要であり、今後の検討課題であることが確認できた。

 

 

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東京都市大学 小林研究室