体験教室を終えて・・・





人々が考えるあかりについて

 今回の体験教室では普段明るい中で生活している人たちに
「真っ暗闇」というものを体験してもらう事で
今まで自分たちが使っていたあかりについて考えてもらいました。
実際に体験し終わった後の人々は
「あかりの大切さを知った」などという感想を多くいただきました。
東日本大震災以降節電意識が高まっている中、こうした意識の変化というのは
とても重要な事であると考えています。


あかりが生み出す想像力

体験者の方々に自分たちがどの様に空間を捉えているかをそれぞれ認知してもらうために
中の地図を自由に描いてもらい、最後私達は答え合わせという意味で中の様子の
種明かしをしました。
その時に見に来てくださった方々から「思ってたよりも単純な空間だ。」という言葉を度々耳にしました。
私達にとって五感の中で最も重要な視覚を取り去られ、暗闇という環境に身を置くと
見えない空間がどの様なものかを自分たちの「想像力」という形で補おうとし、
それが空間の捉え方に大きく影響していると考えています。
これはお化け屋敷で薄暗い中、何か起こるかもしれないという恐怖から様々な想像を働かせてしまう
現象と似ているのではないでしょうか。
想像力はそれぞれの今までの経験や知識に依存するものです。
ですから、暗闇の中での空間の捉え方は人それぞれ。
今回皆さんに描いてもらった地図も、本当は置かれていないのにあると思って描かれたいたものがあったり、
人によって何の物体を大きく描いたりたくさん描いたりするかは千差万別でした。


暗さの価値

 「暗さ」というのはネガティブに捉えられがちです。しかし、
少し見方を変えるだけでポジティブなものへ変わります。
たとえば今回のイベントを通して真っ暗である事から、知らない人同士であっても
お互いの表情が見えない事から相手とのコミュニケーションをとりやすくなり、
他人とでも容易に交流できるきっかけになったり、
視覚以外の感覚が研ぎ澄まされる事によって音や触感などが冴え渡り、
普段は気づかなかった様な事に気づけたりするきっかけにもなりえます。
また上記でも述べている様に、人々の想像力を呼び覚ますきっかけとなる事が
今回のイベントで分かりました。
こうした暗さの良さを利用して人々の個性を引き出す事ができるというのも
暗さの良さだとい風に考えています。
大事なのは、暗さをネガティブに捉えるのではなく、ポジティブに捉える事ではないでしょうか。

小林研究室「まちあそび班」より…



参加してくださった皆様本当にありがとうございました。
また来年お会いできる事を楽しみにしています。
<メンバー一同>



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