いくつもの役割を担うあかり


道の両側に連なる独立住宅の玄関部はこの通りに面しており、足元に置かれた光が玄関灯の役割を担い、人を優しく向かい入れます。また、それだけではなくこのあかりは、様々な種類のある草木を夜でも映し出し、暗くなった路面もほのかに照らし歩きやすい道をつくりだします。





かたよりのないあかり


道の所々にある植栽や駐車場、住宅の敷地内の暗がりは点々と存在します。そこで、極端に暗いところにあかりを設置し、全体の明るさを均一にします。また、壁を照らすことで目につく部分が明るくなり、路面のだけの明るさに頼らずに道を美しくすることができます。

また、道の入り口にある特徴的な門についても壁を照らすあかりをつけることで、道全体の統一感を生みます。





人の手によって作られるあかり


道の端に置いたあかりは、住宅の外観を照らし、道を明るくします。住宅付近に配置されたあかりは、自分の意識する範囲にあることで、周辺に与える影響を考えたり、住宅内部のあかりや、駐車場などの可変的なあかりをどうしていくのか考え、それぞれの住民にとってあかりや街に馴染みがでていくでしょう。

CASE2

●基本項目

所在:東京都目黒区上目黒4丁目

道幅:2m 

 

●現状のあかり

目黒区には車道から隔離されて完全に歩道になっている緑道が随所に存在します。この道は住宅の玄関部に面しており、足元が整備された上、左右に植栽が植えられていて日中は綺麗です。しかし、夜間は通常の街路灯のみでせっかくの植栽が目立たずに質素な道となってしまっています。街路灯の間隔は2mほどと広くはないため、街路灯は少なくても道は全体的に明るく照られています。整備された道の殺伐とした印象を変え今ある特徴を夜にも活かせるように照明を配置することで夜でもきれいな道のあかりを考えます。

住宅のあかりが豊富

足下がきれいに整備されている


周囲のあかりを活かす


綺麗に整備された道に、いくつもの窓明かりや玄関灯のあかりがほのかにおちていたり、人気を感じさせます。また、道の模様がある場所には、あかりで路面を照らし、その場所が持っている特徴をいかします。また下から壁を照らすことで、植栽の影を壁に映し出して模様を作ります。

省エネルギーなあかり


現在この場所では1灯45W、全体で360W のポール灯が設置されている。提案では下記の2種類のあかりを中心に使用する。小さなあかりを広げることで全体の照度を保つ。また、植栽を照らすあかりはその植栽の大きさや種類によって異なるあかりを使用する。

光源:LED

消費電力:6.3 w

器具光束:300 lm

光源:LED

消費電力:6.5 w

器具光束:123 lm

個性を引き出すあかりのCONCEPT

         ①住宅の玄関部、植栽、歩道それぞれの距離感が近い

         ②綺麗に整備され、路面各所には模様が描かれている

         ③道沿いの植栽はそれぞれ種類が異なり、プレートにも記してある

これら3つの個性を活かしたあかりを提案する。

住宅地の中の緑道

玄関と道の距離が近い

植栽に囲まれた落ち着いた道

この道の個性と現状のあかり

提案するあかり

玄関部と道とが隣接しているなかで、玄関のあかりを植栽のあかりとひとつづきに見えるように配置することで、家と道との境界を縮めます。これによって様々な人の手が加わった道としての印象を受けることができます。

道の周囲に植えられた植栽は、様々な種類のものがある。 内側からあかりを当てて全体を照らしたり、枯れ木に下からあかりを当てて枝の影を出して形を強調したりして、 それぞれによってあかりのあしらい方を変えることで一つ一つに個性を出します。

道の脇から路面と壁を照らす

路面の模様を静かに映し出す

壁面を照らしエントランスを強調する

植栽を際立たせるあかり