書籍『写真で見つける光のアート 街歩きを10倍楽しくするために』




この本は、街の中にある、何気ない風景の中に、「光のアート」を見つけようというものです。
デザイナーが意図的にデザインしたようなものは含んでいません。
信号機によって生まれるカラフルな影や、雨の日の路面の反射でできるにじんだ光のダンスたち。
そんな光によって、街にどんなストーリが生まれ、街の風景がどんなに楽しくなるかについて、記述しています。

いつも見ている風景に、こんなアートが潜んでいたのか、と思われるのではないかと思います。
光のアートが起こるメカニズムなど、専門的な解説も加えています。


著 小林茂雄+東京都市大学小林研究室
価格 ¥1575(本体¥1500+税)仕様
並製 128p A5判
ISBN 978-4-8441-3545-6


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はじめに

街を歩きながら、「光のアート」を探そう。

街には意図的にデザイン、計画された光だけではなく、ふとした瞬間に現れる光や偶然できたような光のパターンが存在している。それらは、街をただぼんやりと歩いていただけではなかなか気づかないものだ。なぜなら、風景とはこうあるべきだと、無意識のうちに思い込んでいるからだ。また、光の風景は時間によって移り変わるもので、いつでもそこに現れるというものではないからである。

そこで、風景を慎重に観察してみたり、視点を変えたりしてみよう。建物の透過する光、ガラスで反射する光、水面の光、自動車などの発光体などをじっくり見てみよう。面白いと感じられる現象や、ストーリーが感じられる光が意外とあることがわかる。本書では、ふだん見落とされてしまいがちな光によってつくられるアートの事例を収集している。その中にははじめて目にするものもあれば、よく知っているのに気づかなかった現象もあるだろう。そのような光の面白さを存分に楽しんでもらいたい。

主な事例については、風景の見つけ方を伝授している。そして、光の現象を分析し、アートが起こる理由を説明し、新しい解釈を与えている。光のカラクリを知ると、風景を見る目も一層養われることになるだろう。本書を読み進めていくにしたがって、あなたの街にある光を探し出したくなれば幸いだ。そうしたらカメラを持って出かけよう。自分で発見した光は、風景に彩りを与えてくれる。撮影した写真は自分だけのアートになる。光をつくったのはあなたではないけれど、発見し、切り取ったのはあなただからだ。そしてみんなで、街の光マスターになろう!