参加型のシャッターアートの提案
下北沢 2008/12



シャッターは落書きされやすい対象であると同時に、街の中で絵を描く機会が与えられやすい場所だといえます。昼間の営業中は開いていて見えないため、やや仮設的な性格も持っており、気軽に取り組んだり実験的な手法を採用したりしやすいと考えられます。


通常、絵を描く場合は、最初から最後まで一気に完成させることが多いのですが、ここでは複数の人々が個々に絵を追加していきながら壁画を制作するという参加型の取り組みを提案します。


下北沢駅前の店舗のシャッターを対象にして、それぞれの参加者が、下北沢をイメージする何かを順番に描いていったらどうなるだろう、ということを実験的に実施しました。







下北沢南口駅前での制作風景。

一人ずつ描いた絵が、徐々に追加されていきます。

それぞれの描き手は自由な位置に自分のイメージするものを描いていきます。その時、シルエットだけを描くというルールを決めました。この後に、シルエットを活かした絵を別の人が付け加えてくれるかもしれないからと考えたためです。目や鼻が付け加えられるかもしれないし、新たなシルエットが加わるかもしれません。


最後まで描き込むことなく、あるところで止めることが、壁画が継続して変化することを促すのではないかと考えました。


最後の一人は黒い大きな人物を描き始めました。




延べ9名による制作がひとまず終了しました。
今後、どのような絵が追加されていくことになるでしょうか。


この提案はシャッターでなくても構いません。不特定多数の人々が協同でゆるやかに描いていく絵があれば、道行く人を飽きさせなくなるのではないでしょうか。



小林研究室